いちいちゾクッとしてられない
今週のお題「ゾクッとする話」
正直日常茶飯事なので…という私の職業は高齢者介護。施設で働いていればまあ…ありますよ、いろいろ。
長年この仕事をしているともうゾクッともしなくなったけど、初めて遭遇いたしましたのは社会人になりたて就職して3ヶ月目の頃…
やっぱりこういうことは夜勤のときに多い。
当時の職場は山際にあり、たどり着くには田んぼの中の一本道を通って来なければ来られない。もちろん街灯もなく見晴らしもよい、そして職場は突き当たりで抜け道はない。
そんな職場で夜中にですね、玄関のインターホンがなったんですよ。
私たちは棟内で仕事中だったため、当直の方が対応したらしいのですが、返答がなかったそうで。
玄関に様子を見に行ってもだれもいないし、走り去る車もいなかったそうで。なんだったんだろう…気のせいかなとそれで終わったのですが。
そして朝になり…夜のインターホンの理由はこれではないかと知らされる。
体調を崩して病院に入院していた入居者さんが昨夜亡くなったと。
それだけだと「まさかね〜」で済まされるのですが、朝の巡回時に亡くなられた入居者さんと同室のおばあちゃんが、
「昨日の夜、◯◯さん戻って来てたんだね〜、杖ついて歩いてた〜」
と申されるではありませんか。
普段は杖歩行だったのですが具合が悪く車椅子で病院に向かったおばあちゃん。
愛用の杖は預かっていた私物の中にあり…
昨夜のインターホンは預かっていた杖を取りにきたおばあちゃんだったのでは…
と初めて霊の存在を実感した20歳の初夏のお話。